【保存版】不動産投資にかかわる税金の種類と節税方法のすべて

税金・節税(最終更新日:

不動産投資を行う上で「税金」の話は避けては通れません。

不動産は「買っても」「持っても」「売っても」税金がかかります。

不動産投資で成功するには、「不動産投資の知識」だけでなく、「税金の知識」についてもある程度把握しておかなければ、思わぬ失敗につながりかねません。

そうならないためにも、不動産投資にかかわる税金について理解しておきましょう。

また、不動産投資がなぜ税金対策になるのか?

節税の仕組み」と「節税の注意点」についても解説します。

※この記事は法人の設立による節税については触れていません。個人についてのみの解説となります。

1. 不動産投資に関わる税金の種類まとめ

不動産投資ではどのような税金がどれくらいかかるのか、実はあまりよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。

まずは下記の図をご覧ください。

これが不動産投資にかかわってくる税金の全体像です。

このように不動産には取得時、保有時、売却時でたくさんの税金がかかわってきます。

それぞれどのような税金なのか、ひとつずつ見ていきましょう。

「固定資産税評価額」について
この記事では「固定資産税評価額」という言葉が何度か出てきますので、ぜひ覚えておきましょう。

固定資産税評価額は、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税を計算するための基準となる価格のことです。

固定資産税課税台帳に記載された土地と建物それぞれの評価額をいいます。

評価額は3年ごとに見直しがされます。

所有者に毎年送付されてくる「固定資産税納税通知書」や、「固定資産公課証明書」もしくは「固定資産評価証明書」で確認することができます。

1-1. 印紙税

契約書領収書手形など20種類の「課税文書」にに対してかかる税金です。

収入印紙」を購入して課税される文書(※契約書など)に貼り、消印(割り印)を押すことで納税します。

納税しなかった場合は、印紙税額の3倍相当額過怠金として課せられます。

不動産に関係するものについては、主に以下の文書が「課税文書」として課税対象となります。

  • 不動産売買契約書

  • 建築請負契約書

  • 土地の賃貸借契約書

  • ローンの金銭消費貸借契約書 

  • 領収書

印紙税額は以下のとおりです。

※「売買契約書」「建築請負契約書」の税額は2020331日まで受けられる軽減措置後の金額を記載しております。

詳しくは、以下をご覧ください。

【国税庁:「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について】
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/0018003-093-01.pdf

領収書の印紙税については以下となります。


※売主が個人で、自宅などを売買する場合に発行する領収書は『営業に関しない受取書』として非課税となります。ただし、投資用の不動産などは印紙税がかかる場合があります。

印紙税は節税できる?

売買契約書印紙税については、売主であれば節約が可能です。

買主原本を持つ必要がありますが、売主は写し(コピー)でも問題ないからです。

写し(コピー)を単なる控えとすれば、課税文書に該当しないため印紙税はかかりません。

原本も写し(コピー)も契約の効力は原則として同じですが、内容に違いがあった場合、原本のほうが証拠力としては強くなることに注意してください。

また、記載金額に消費税が含まれている場合は、分けて記載することで印紙税額を少なくすることができます。

例)

売買金額:1,080万円(税込)
⇒ 1,080万円として課税される

売買金額:1,080万円(建物価格1,000万円:消費税等:80万円)
⇒ 1,000万円として課税される

1-2. 登録免許税

不動産登記をする際にかかる税金です。

不動産投資の初期費用でいう「登記費用」とは、この登録免許税司法書士報酬をあわせた費用を指します。

登記」とは簡単にいうと、「この不動産は私のものです!」と法的に「所有権」を主張できるようにするために行うものです。

もし「登記」をしないままでいると、後で他人である第三者に「いいえ、この不動産は私のものです!」といわれても何も文句をいうことができなくなってしまいます。

登記」をすることで、取得した不動産が「自分のもの」であると他人に主張することができるのです。

また、登記は所有権だけではありません。

ほかにもローンを組んで購入する場合】はお金を貸す側の金融機関がその不動産を担保として「抵当権」というものを登記します。

金融機関は「抵当権」を登記することで、万が一ローンが完済されなかった場合は不動産を処分して優先的に弁済を受けることができるようになるのです。

登録免許税の金額は以下の計算式にて算出されます。

登録免許税 = 課税標準 × 税率

税率は登記の種類によって決まります。

新築建物の場合、まだ所有権は設定されていませんので、「所有権の移転」ではなく「所有権の保存」をすることになります。

抵当権の抹消にも費用がかかる

抵当権」が登記されている不動産(ローンが残っている不動産)を売却する際は、ローンをすべて完済し、登記されている「抵当権」を抹消しなければなりません。

その際にも登録免許税が必要になります。

抵当権を抹消する登記の費用は「不動産の個数×1,000円」です。

土地と建物は別々でカウントされます。

土地付きのアパートであれば、土地1,000円、建物1,000円計2,000円になります。

登録免許税は節税できる?

登録免許税は節税できません。

通常、登記は司法書士へ依頼して代理で行ってもらうことになります。

1-3. 不動産取得税

その名のとおり、不動産を取得した際にかかる税金です。

不動産を取得した時に1度だけ課税されます。

購入時に支払うのではなく、取得後6ヶ月程度で納税の通知が届くので忘れがちです。

「相続」以外で不動産を取得した場合に納税の義務があります。

不動産取得税は以下の計算式にて算出されます。

不動産取得税 = 固定資産税評価額(課税標準) × 4%

 ※不動産取得税の税率には、さまざまな特例や軽減措置が用意されています。計算方法については以下の記事を参考にしてください。

まるわかり!不動産取得税の軽減制度|サルでもわかるイメージ図付き

【不動産投資家の方へ】徹底解析!不動産取得税の仕組みと計算方法

不動産取得税は節税できる?

不動産取得税は節税できません。

代わりに住宅に関しては特例や軽減措置が用意されています。

1-4. 固定資産税・都市計画税

土地建物などの固定資産を所有している人にかかる税金です。

不動産の住民税のようなものと考えてください。

毎年1月1日時点での所有者に対して、4~6月頃各市町村( 例外として東京都23区は東京都)から納付書が送られてきます。

通知された金額を年4回に分けて支払います。(※一括で支払うことも可能

保有中は毎年支払うことになります。

「都市計画税」とは?

都市計画税は「市街化区域(すでに市街地を形成している区域およびおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域)」内の土地・建物に対してのみ課税される地方税です。

(※ちなみに東京23区内、大阪市内はほぼ全域が市街化区域に指定されています。)

固定資産税都市計画税同時に納付することになるため、一緒くたにして「固都税(ことぜい)」とも呼ばれています。

固定資産税・都市計画税は、土地建物それぞれに課税されます。

計算式は以下となります。

固定資産税 = 固定資産税評価額(課税標準額) × 1.4%

都市計画税 = 固定資産税評価額(課税標準額) × 0.3%

固定資産税・都市計画税地方税となりますので、各市区町村によって若干税率が変わります。

ちなみに都市計画税は0.3%が上限となりますので、0.3%を超えることはありません。

詳しく知りたい方はお住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。

固定資産税・都市計画税には軽減の特例がある

住宅用地(住宅を建てるための土地)として使っている土地は、固定資産税・都市計画税が軽減される特例があります。

住宅を建てるための土地なので、賃貸アパート賃貸マンションでも特例を受ける事ができます。

住宅用地で住宅1戸につき200㎡ までの部分 は「小規模住宅用地」として、固定資産税1/6に、都市計画税1/3に軽減されます。

200㎡を超える部分は「一般住宅用地」として、固定資産税1/3に、都市計画税2/3に軽減されます。

 

購入時は日割りで精算するのが慣例

固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点での所有者が収めることになります。

その年の途中で売却して持ち主が変わったとしても、納税は買主ではなく売主になります。

そこで慣例として、売買した年は買主・売主で所有した日数分の税金をそれぞれ負担することになっています。

「関東」と「関西」で起算日は異なる

なお「関東」と「関西」とでは、商習慣の違いによって日割り計算の起算日が違いますので、注意してください。

関東圏 ⇒ 毎年1月1日~同年12月31日

関西圏 ⇒ 毎年4月1日~翌年3月31日

例)

物件価格:1,000万円
固定資産税・都市計画税:45,000円の場合

固定資産税・都市計画税は節税できる?

固定資産税・都市計画税は節税できません。

自分が住む用、投資用に関わらず、住宅に関してはそもそもが大幅な減税を受けています。

強いていうと、何も建物がない土地(更地)を所有している場合は、更地の上に建物を建てて、「軽減の特例」を受けることで節税するという方法があります。

ちなみに評価額が以下の金額に満たない場合は免税となります。

土地・・・30万円未満

家屋・・・20万円未満

1-5. 消費税

サービス消費する際にかかる税金です。

おそらく最もなじみがある税金ではないでしょうか。

ご存じのとおり、税率「購入金額×8%」です。(執筆時点)

原則として、土地は「非課税」で、建物のみが「課税」対象となります。

ただし、「売主が個人」かつ「住宅の売買」である場合は建物も非課税となります。

売主業者だった場合、建物の価格には消費税が課税されています。


※「新築」は個人が売主となることはまずありません。
※「マイホーム」や「セカンドハウス」以外の不動産の売却は、個人が売主でも消費税がかかる場合があります。

そのほか「仲介手数料」や「リフォーム費用」などにも消費税が課税されます。

消費税は節税できる?

消費税は節税できません。

建物価格の消費税分については、一時期あえて消費税の課税事業者となることで全額還付を受ける「消費税還付スキーム」というものが流行りました。

敷地内に自販機を設置して課税売上高を作り出していたことから「自販機スキーム」ともよばれていました。

しかし、2度にわたる税制改正により、現在ではほぼ使えなくなりました。

1-6. 所得税・住民税

毎年1月1日~12月31日まで1年間で得た個人の所得すべてに対してかかる税金です。

所得には10種類区分があります。

会社からの給料ボーナスは「給与所得」、株の配当金は「配当所得」などのように、それぞれ所得区分が法律で定められています。

例外として、「生活保護の給付金」や「宝くじの当選金」など非課税となる所得もあります。

日本の税制は「超過累進課税」制度をとっており、所得が大きくなるほど税率が上がるようになっています。

所得に応じた税率は以下となります。

 

「収入」=「所得」ではない
よく勘違いされる方もいますが、「収入」と「所得」は同じ意味ではありません。
「収入」から「経費」や「控除」を差し引いた金額が「所得」となります。
例えば、額面で年収500万円あるサラリーマンの場合、およそ所得は236万円になります。

【所得】 
500万円(給与)-38万円(基礎控除)-154万円(給与所得控除) - 72万円(社会保険料控除) = 236万円

この236万円という金額が課税所得となります。
所得税率は早見表を見ると、【10%+控除額】であることがわかります。
つまり年収500万円のサラリーマンの所得税額は、
236万円 × 10%9万7,500円 = 13万8,500円となります。

家賃などの不動産による収入は「不動産所得」or 「事業所得」

不動産による収入は「不動産所得」として所得税が課せられます。

不動産所得 = 総収入 - 必要経費

また、不動産業が事業的規模※5棟10室以上など)となった場合は「事業所得」として所得税が課せられます。

事業所得 = 総収入 - 必要経費

不動産所得との違いとしては、青色申告特別控除(65万円)などの税制面で大きなメリットがあります。

「不動産所得」「事業所得」は他の所得と合算できる

10種類の所得のうち、以下の4つは他の所得と合算することができます。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得

上記の所得以外は基本的に赤字となることはないという考え方です。

これらの所得で生じた赤字は、他の所得で生じた利益と相殺することができます。

これを「損益通算」といいます。

例)サラリーマンが不動産投資で100万円の赤字が生じた場合

500万円 (給与所得) 100万円 (不動産所得) = 400万円 (課税される所得)

このように不動産所得は他の所得と損益通算をすることができるのです。

※譲渡所得はマイホームの買い替えなどの一定の条件を除いて、他の所得とは合算することはできないので注意しましょう。(譲渡所得内での合算は可能です)

 

不動産を売却した時の利益は「譲渡所得」

 不動産を売って利益がでた場合、「不動産所得」ではなく「譲渡所得」として所得税が課されることになります。

損失が出た場合は課税されません。

譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

譲渡所得税の計算式は以下となります。

譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率

譲渡所得不動産を所有した期間によって税率が変わります。

売った年の1月1日において、所有期間が5年を超える ⇒ 長期譲渡所得

売った年の1月1日において、所有期間が5年以下 ⇒ 短期譲渡所得 

購入後、正月(1月1日)を6回迎えると「長期譲渡」と覚えておきましょう。

 所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わりますので、注意してください。

 

住民税の税率は全国一律でほぼ10%

住民税は「所得割」と「均等割」の2つの合計で求められます。

住民税 = 所得割 + 均等割

所得割は全国一律で10%となっています。

均等割は4,000円~5,000円程度ですので、住民税の税率はだいたい10%くらいと思っておけばよいでしょう。

前年の所得で税額が決定するので、1年遅れて課税されることになります。

住民税は所得税の計算と違って、少し複雑です。

自分の住民税が知りたいという方は以下のサイトで簡単にシミュレーションできます。

■住民税の自動計算サイト
https://juuminzei.com/keisan/

所得税・住民税は節税できる?

不動産投資で不動産所得を赤字にすることで、所得税・住民税を節税することができます。

詳しくは2章で後述します。

1-7. 贈与税・相続税

今回は不動産投資で物件を購入した場合をメインに解説します。
贈与税・相続税についての詳細は割愛します。

贈与税

不動産を買ったときではなく、個人から贈与された時にかかる税金です。

法人から贈与された場合は所得税がかかります。)

不動産を無償で譲ってもらった」「親から不動産の購入資金を援助してもらった」場合には贈与税を納めなければなりません。

毎年1月1日から12月31日までの1年間の間に贈与うけた金額に対して課税されます。

なお、年間110万円までは非課税になります。

 

相続税

不動産を買ったときではなく、死亡した人から不動産を相続した時にかかる税金です。

3000万 + (600万 × 法定相続人数)】の金額までは相続税はかかりません。

例えば法定相続人が2人の場合、

3000万円+600万×2人=4200万円

4200万円以内の資産なら相続税はかからないことになります。

 

 不動産投資は贈与税・相続税対策に有効

現金を不動産に変えて贈与・相続させることで大きく節税することができます。

現金預金時価そのまま(額面金額)課税対象となります

1,000万円の現金であれば、課税対象となる金額は1,000万円です。

しかし不動産時価そのまま(売買価格)課税対象とはなりません。

およそ50%〜60%程度の評価となることが多いので、その分贈与税・相続税を抑えることができます。

さらに建物を賃借することで場合、さらに30%ほど控除され、評価額はおよそ1/3まで圧縮されます。

イメージとしては以下の図になります。

※贈与税の計算にも同じ評価額が使用されます。

このように不動産は相続税・贈与税対策としても有効とされているのです。

現金で贈与・相続した方が良いケースも
不動産が贈与税・相続税に有効であったとしても、むやみやたらに現金を不動産に変えていいというわけではありません。
不動産を贈与しても贈与される側に税金を納める能力があるのかしっかり確認する必要があります。
また、相続する人が複数人いた場合は、不動産は現金のように簡単に分割することができないので、トラブルになりやすいのです。
人によっては現金で行う方が良いケースもありますので、注意しましょう。

2. 不動産投資が税金対策になる仕組みとは?

不動産投資をはじめると節税になります!」というのは、そのほとんどが「所得税のことを指します。

※「住民税」も所得によって税額が決まりますので、「所得税」を節税すると結果的に「住民税」も節税することができます。

この章では、不動産投資による節税の仕組みについて解説していきます。

2-1. 不動産投資の「節税」は不動産を購入して赤字にするだけ!

不動産投資における節税の仕組みは簡単にいうと、「不動産所得を赤字にして所得を圧縮する

これだけです。

例えば、あなたが年収800万円のサラリーマン(独身)だった場合を考えてみます。

年収800万円の人の課税所得は、およそ446万円になります。

しかし、一方で不動産投資をすることによって50万円の赤字を出したとします。

すると所得の合計は「446万 - 50万円 396万円」となり、所得を50万円分圧縮することができるのです。

 

上記の所得税率の早見表から、課税所得396万円税率20%です。(住民税は一律10%

つまり、本来であれば

【所得税】

446万円 × 20%(所得税) – 42.75万円 = 46.45

【住民税】

451万円 × 10%(所得割) = 45.1万円 ※均等割は省略

所得税と住民税の所得金額が違っているのは、それぞれ基礎控除の金額がちがうためです。

住民税の基礎控除額は、所得税の基礎控除額よりも5万円少ないのです。

所得税の基礎控除額:38万円

住民税の基礎控除額:33万円

 

91.55万円が税金として徴収されるところを、

所得税

396万円 × 20%(所得税) – 42.75万円= 36.45万円

住民税

401万円 × 10%(所得割) = 40.1万円 ※均等割は省略

76.55万円の税金で済むのです。

不動産投資によって15万円分の所得税・住民税が節税できたことになります。

これが不動産投資による節税効果です。

所得税率の早見表では年収が高いほど税率が高くなっているのがわかります。

つまり、高年収のサラリーマンほど不動産投資で節税できる金額が大きくなるということです。

2-2. 赤字を生み出すポイントは「減価償却費」

そもそも赤字だと収入が減るから意味がないのでは?」と思われた方も多いと思います。

節税の仕組みを理解するには「減価償却費」について理解する必要があります。

減価償却費とは?

「建物」は購入した年に購入代金全額を経費として計上はできないことになっています。

建物や車などの資産は1年かぎりの消耗品ではなく、長期間にわたって使用するものと考えられているからです。

そのため「使用できる年数」に応じて分割し、毎年の経費として計上することとしています。

これが「減価償却費」とよばれるものです。

例えば、「使用できる年数」が5年の不動産を1,000万円で購入したとすると、

このように、一度に1,000万円全額を経費として計上するのでなく、毎年200万円ずつを5年間に分けて経費として計上していくイメージになります。

あくまでも「価値の減少分」ですので、実際には毎年200万円のお金が出費として発生しているわけではありません。

不動産所得 実際の収支
家賃収入 120万円 家賃収入 120万円
経費 -20万円 経費 -20万円
減価償却費 -200万円 減価償却費
-100万円 +100万円

この「減価償却費」を経費として計上することで、収支はしっかりプラスなのに「不動産所得」が見かけ上は赤字になるという現象が起きるのです。

これが不動産投資による節税のカラクリになります。

【重要】土地は減価償却できない
減価償却できるのは「建物のみ」ですので、注意しましょう。
土地は建物と違って、時間の経過や使用によって劣化しないものと考えられているからです。
減価償却費を計算する際は、「土地」「建物」に分けて計算することになります。

「使用できる年数」は決められている

使用できる年数」というのは、車なら6年、パソコンなら4年というように国によってあらかじめ決められています。

これを「(法定)耐用年数」といいます。

不動産においては建物の構造によって耐用年数が違います。

建物の大まかな耐用年数は以下のとおりです。

耐久性のある建物は長く使えるので、その分耐用年数は長く設定されています。

RC造のマンションなら47年、木造アパートなら22年という時間をかけて減価償却していくことになります。

なお、上記は新築時の耐用年数です。

中古物件は以下の計算式で耐用年数が決まります。

(耐用年数-経過年数) + 経過年数 × 20%

※例) 築10年が経過したRC造の物件の場合

(47年-10年)+(10年×20%)= 39年

また、耐用年数が過ぎた物件は以下で計算されます。

耐用年数 × 20%

例)築30年が経過した木造の物件の場合

22年 × 20% = 4年 ※小数点以下は切り捨てられます。

減価償却費は耐用年数が短いほど大きくなる

ここまで見れば気づくと思いますが、減価償却費は耐用年数が短いほど大きくなります。

新築のマンション(RC造) 築30年のアパート(木造)
建物価格 5,000万円 建物価格 5,000万円
耐用年数 47年 耐用年数 4年(22年×20%)
減価償却費 110万円 減価償却費 1250万円

同じ価格でも耐用年数によって、毎年計上できる減価償却費は大きく変わるのです。

上記表のように耐用年数を過ぎた築古の木造物件は、たったの4年で償却が可能となります。

減価償却費が多く取れる分、不動産所得も大きな赤字となりやすく節税効果も高いといえます。

3. 節税目的で不動産投資をはじめる際の注意点

所得税の節税目的で不動産投資をはじめる人はたくさんいます。

特に基本的に経費を落とすことができないサラリーマンには非常に魅力的に思うことでしょう。

しかし、不動産投資を節税目的ではじめるにはいくつかの注意点があります。

3-1. 節税で還付される金額には上限がある

当然ですが、税金として取られた金額以上は還付されません。

節税によって還付される金額は「徴収された税額」が上限となります。

源泉徴収票_見本

上記は源泉徴収票の見本です。

赤丸で囲った「源泉徴収税額」が、納めた所得税の金額になります。

15万円の節税効果があるといっても、そもそも10万円しか徴収されていなければ、還付されるのは10万円です。

基本的に源泉徴収税額以上の還付を受けることはできないので注意しましょう。

※青色申告であれば、還付しきれない赤字を繰越しすることができます。

3-2. 減価償却費は売却時にしっかりと計算される

売却時に利益が出ると、譲渡所得税が課されるのは前述したとおりです。

しかし「買った値段より売った値段の方が安いから税金は課税されない」と単純に考えてはいけません。

減価償却費として計上した分は、売却時にしっかりと計算されることに注意してください。

どういうことか説明しましょう。

「譲渡所得」は以下の計算式で計算されるのはこれまでお伝えしたとおりです。

譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

取得費は「物件の購入代金」や「購入時の仲介手数料」など取得にかかった費用のことです。

譲渡費用は「売却時の仲介手数料」や「印紙税」など売却する際にかかった費用のことです。

ここで注意すべきは、取得費は価償却した分を差し引いて計算するということです。

たとえば、1,000万円の物件を10年保有した後、900万円で売却したケースで考えてみましょう。

減価償却費を毎年20万円計上していたとすると、10年間合計200万円です。

譲渡費用は、仲介手数料等40万円かかったとします。

取得費は以下となります。

1,000万円(物件価格) + 40万円(仲介手数料など) 200万円(減価償却費) = 840万円

では、以上から譲渡所得を計算してみましょう。

900万円(売却価格) – 【840万円(取得費) + 40万円(譲渡費用)】 = 20万円

1,000万円の物件を900万円で売却したのに、売却益がでてしまいました。

減価償却費が取得費から差し引かれることで、売却益が出てしまったのです。

なお保有期間は10年間ですので、「長期譲渡所得」となり、税率は20%です。

つまり、20万円×20% = 4万円が譲渡所得税として課税されることになります。

このように今まで減価償却費として計上していた費用は売却時にしっかりと考慮されます。

減価償却費による節税は、売却後も含めてトータルで収支を計算しなければなりません。

減価償却費による節税はあくまでも税金を先送りしているに過ぎないということを理解しておきましょう。

3-3. 築古木造アパートには要注意

築古の木造アパート」は、価格も比較的手ごろで、耐用年数が4年と減価償却費も大きくとれるので、節税効果の高い物件として王道ともいわれています。

しかし、節税にはほとんど役に立たなかったケースも多いので注意してください。

物件価格のほとんどは「土地」の価格であることが多い

一般的に耐用年数を大幅に超えた物件は「建物」自体の価値はほとんどありません。

物件価格の大半が「土地」の割合を占めていることが多いです。

減価償却の対象となるのは「建物のみ」です。

5,000万円の築古アパートを購入しても、そのうち建物の価格が500万円であれば、1年で125万円(500万円÷4年)しか減価償却費を計上することができません。

思ったほど節税効果が得られないと後から気付く人も多くいますので、注意してください。

赤字だと「土地」の利息代は経費にできない

ローンで購入している場合、土地の取得に要した借入金の利息は経費にならないので注意してください。

築古の木造アパートは、ほとんどが「土地の値段」ですので、必然的に土地の利息代の割合が大きくなります。

金融機関に支払っている多額の利息代が、経費に算入できないのです。

つまり、減価償却費で大きな経費を計上しても、土地の利息代と相殺されて結局経費になっていないという事態に陥ってしまうのです。

さらに減価償却を大きく取っている分、売却すれば譲渡税がかかる可能性もあります。

実際の収支も赤字、会計上の収支も赤字、売却しても赤字、悲惨な結果になる可能性があります。

まとめ

不動産投資の税金の種類と節税の仕組みについて解説しました。

不動産投資にかかわる税金はとても多く、まさに「税金との闘い」ともいわれています。

ですが、節税のみを目的とした不動産投資はおすすめできません。

不動産投資による節税というのは「不動産所得を赤字にすることで所得税の還付を受ける」ことです。

つまり、赤字が出れば出るほど節税効果が高くなるということです。

節税を目的に物件選びをしてしまうと、自ずと利益の出ない物件を選んでしまいがちです。

減価償却も永遠に続くわけではありません。

耐用年数が過ぎれば、やがて経費として計上できなくなります。

節税目的ではじめた結果、「所得税の還付はあったけど、トータルで大赤字」という本末転倒なことにもなりかねません。

不動産投資は安定した収入を得ることが本来の目的です。

赤字を作り出すことばかりに躍起になるのではなく、税金とうまく付き合いながら安定した収入を得ることを目指してください。

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